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かけることばの やさしさに かえることばの なおやさし
先日、テレビのスイッチを入れたら、子どもの言葉遣いについての内容を放送していました。小学生や中学生の子どもを持つ母親数人と、助言者がディスカッションしていたのですが、具体的にあがっていたのは「やばい」「キモイ」「クソ」「死ね」等の言葉でした。助言者の方は、「言葉の変化は、子どもの成長に関連している、ただ叱るのではなくよく話を聞くこと」「普段接しない大人との会話が言葉を豊かにする」とアドバイスしていました。時代によって言葉の使い方は変化するし、単なる流行もあるとは思いますが、親としては気になることです。また、他人とのトラブルの元になりかねないので、使うのをやめるか、その場に応じて使い分けしていくよう教える必要があるでしょう。
しかし、粗野な言葉や態度は、むしろ大人の方が目に余るものがあるように思います。子どもは見ていないようで大人を観察しているものです。模範となるように勤めるべきでしょう。
仏教には「和顔愛語」という言葉があります。これは「無量寿経」という教典に出てきます。
「和願」とは、ほほえみです。いつもむずかしい顔をしていると、周りの人もいやな気持ちになり、その場の雰囲気が悪くなり、その人は嫌われてしまい、良いことはありません。その反対に、いつもにこにこと、ほほえみを絶やさない人は周りの人の気持ちも明るくし、雰囲気も良くなります。その結果、仕事や人間関係がうまくいくようになります。
また、「愛語」とはやさしい言葉をかけることです。家庭でも職場でも、やさしいことばをかけることを心がけていれば、相手も気持ちよく、明るい気持ちになり、その人も自分にやさしいことばをかけてくれるようになるのです。
「和顔愛語」はいつでもどこでもできる仏道修行なのです。そして、「和顔」も「愛語」も人から人に伝播していくもので、いつかは自分に返ってくるのです。