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むりをしないで なまけない
如来寺では幼稚園をやっていて(現在は学校法人)、年に何人か、大学や短期大学、専門学校などの教員養成校から実習生が来ます。この人たちは20歳くらいの女子学生がほとんどですが、2〜4週間位幼稚園で実際の保育を経験するわけです。そして、終わりが近づいてくると反省会があって、その席で本人達が反省を述べて、園長である私もひとこと話をいたします。この人達はまだフレッシュですから結構真剣に聞いてくれるようです。いろいろアドバイスしたり励ましたりしてから、最後に「皆さんはまだ若いのですから、失敗を恐れず、悔いの無いように一生懸命がんばりなさい」とか言うと、「ハイ、わかりました」と返事をしてくれるのです。
でも、この人達に「むりをしないで、なまけないようにしなさい」と言ったらどうでしょう。たちまち、「なんだかわかんな〜い」という顔をされそうです。
「むりをする」というのは、人それぞれに程度があります。たとえば、ある人は毎日2万歩のウオーキングは何でもないけれど、別の人にとってはとても体力的にきつくて、せいぜい5千歩が精一杯ということはあると思います。
釈尊の教え(仏教)では「中道」ということがその根本にありますが、簡単に言えば「極端なことをしない」ことが良いのです。
仏教思想家のひろさちやさんは「中道」を「いい加減」と言う言葉で置き換えています。
「いい加減」とは、その人によって違うちょうど良い程度のことで、風呂の湯加減がその人によって好みがあることに喩えて説明しています。「いい加減」は人によって違って良いのです。
私たちは、自分にとっての「中道」イコール「いい加減」を見つけなければなりません。そしてそれは決して「なまける」ことではなく、自分にとっての目標や理想に向かって、自分のやり方で、自分のペースを守って精進努力することではないでしょうか。
こういう説明をすれば実習生にもわかってもらえると思います。