|
心が豊かな人は 他人の長所が見え 心の貧しい人は 他人の欠点が見える
早いものでもう年度末、卒業や卒園の時期になってきました。今市幼稚園も卒園式に向けて準備を進めているところです。
4月になると入学や就職のシーズンということで、沢山の新社会人が職場に入ってきますが、先輩や上司からすれば、どうしても新入社員の欠点ばかりが目についてそれを指摘して叱責しがちになると思います。しかし、上手に新入社員を伸ばすには、叱りたい気持ちをおさえて、逆にほめることも大切だということです。でも、なかなかこれは難しいことではあります。
私たちの日常生活でも同じことではないでしょうか。どうしても他人の欠点ばかりがは目につきがちです、しかし、長所に目を向けることは、なかなかできません。でも、意識してそうすることが大切なのではないでしょうか。
今月の言葉は、逆にすればこうなります。「他人の長所をみるようにつとめれば、心が豊になり、他人の欠点を見ないように勤めれば、心が貧しくならない」 つまり、最初は努力して心がけていれば、だんだんに自分の心も貧しさから抜け出し、豊かになっていくような気がするのですがどうでしょう。
皆さんご存じの芥川龍之介の短編小説「蜘蛛の糸」では、お釈迦様は、ある悪人の生涯でただ一度のよい行いに注目して地獄から救おうとします。阿弥陀様もきっと私たちのような愚かな者でも何とか救いたいという大きなお慈悲のみ心でいつも見守って下さっているに違いありません。私たちは、それに応えて、念仏を称えつつ、愚者の自覚をもって日々生活するほか救われる道はありません。