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慈悲とは 相手の立場に 立つことである
本日は、お十夜法要にご参詣いただきましてありがとうございます。
「あなとうと 茶もだぶだと 十夜かな」 与謝蕪村
この句は、〜なんと有り難く、尊いことでしょう、お十夜に参詣し、念仏を称えていると、
頂いたお茶さえもお腹の中でダブダブ(南無阿弥陀仏)と言っているよ〜という意味です。
おもしろい句ですね、この後、玄関ホールで甘酒とお茶の接待をいたしますが、甘酒も
おなかの中でダブダブと念仏の声を発するかもしれません。
お十夜とは、法要中に「奉酬 西方願王阿弥陀如来 成等正覚広大慈恩」と申しましたとおり、
阿弥陀如来が、念仏を称える者は、だれであろうと分け隔てなく平等に救うという願いを成就し、
仏になられて、いつも私たちひとり一人を大きなお慈悲の眼で見守って下さっているという
ご恩に報い、感謝の念を持ってお念仏を申しあげる法要です。そして、私たちは煩悩に
まみれた中で毎日を送っているのですが、ともすれば自分を見失い、他者への思いやりを忘れ、
先祖をおろそかにしてしまいがちですが、お十夜に参詣したことをきっかけに、大切なことを
思いだしていただきたいものです。
今月のことばには「慈悲とは、相手の立場に立つことである」とあります。私たちも阿弥陀様の
大慈悲の御心にあやかり、思いやりの心、慈悲心を忘れてはいけないと思います。それには、
お互いに自分勝手な独りよがりをやめて、相手の立場、心持ちになって考えることが大切です。
そうすれば、人間関係がうまくいき、むやみに腹を立てるたてることも無くなって、こころ安らかに
暮らせるのではないでしょうか。