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気に入らぬ 風もあろうに 柳かな(仙腰a尚)
仙腰a尚(仙豪`梵、せんがい ぎぼん)は江戸時代の禅宗のお坊さんです。禅の教えをわかりやすく説くために多くの水墨画を描きました。この句が書かれている絵は、真ん中に強い風に吹かれている柳の木が描かれていて、その右に大きく「堪忍」と書かれています、そして、絵の左に「気に入らぬ 風もあろうに 柳かな」と書いてあります。
世の中には自分の気に入らないこと、意に添わないことが沢山あります。そして、時にはこのような自分にとって気に入らないことや有り難くないことが強風のように吹き付けてくることがあります。そのような時どうすればよいのでしょう。心を堅い木の枝のようにして堪え忍んでいたなら、枝がぽきんと折れてしまうように、我慢の限界を超えて心が折れてしまうか、逆に怒りが噴出して暴走してしまうことになるかもしれません。しかし、同じ我慢するにしても、心を柳の枝のようにしなやかにして、気に入らないことでもやりすごすことができたなら、心の平安が保たれるでしょう。風がいくら強くてもいつかは止む時がくるのですから。
とは言ってもなかなか難しいものがありそうです。世の中には100人いれば100通りの考えや主張があるのですから、皆が自分の考えに合わせてくれるわけではありません。
我慢(堪忍)するときの心得として、そのような事態に遭遇した時は、この堪忍柳の絵を頭に思い浮かべると良いでしょう。